2004年05月09日

■ルンタ・プロジェクト

Lung-ta Project

Lung-ta(風の馬)は人々の願いを天の神々の所まで届けてくれるとチベットでは信じられていて、ダラムサラでもこの「風の馬」を刷った五色の旗があちらこちらで掲げられています。

チベットの人々の切実な思いが「風の馬」により天に届いてほしい、そんな思いから1998年に日本人有志によってルンタ・プロジェクトはダラムサラにて設立され、現在では亡命してきたばかりのチベット人に当面の住居を提供したり、語学(英語、チベット語、ヒンドゥー語)の学習、技術(手工芸、調理、コンピューターなど)の習得、また、雇用の確保などを目標に活動をしています。勝手ながらこのNGOの紹介と評価を自分の知識をもとに少しここでしたいと思います(関係者の方々ドキドキですね、笑)

NGOとは?

80年代爆発的に増えたNGOではあるけれど、現在その多くの有効性について疑問の声が上がっている。けど、そもそもなぜNGOが爆発的に増えたのか?

80年代前半は開発界の欠点が叫ばれた年でもありました。理由は国を主体とした経済支援やネオ・リベラルといわれる自由経済主義による政策にもかかわらず多くの国々の経済が根底から崩れたのが大きな要因です。そして経済大国の国々が伸びる中、他の国々はさらに貧困の道を突き進み、それらの国々から絶望的な叫びがメディアを通して一般市民に届くようになりました。そこで考えられた対案がNGO(非政府団体)ということになる。

NGOの特徴としては、名前のごとく政府機関でない事。これにより政府機関ではできなかった様々な活動が可能になります。例えば政府機関の人道的支援というものは議会を通したりしなければいけなくて時間がかかる、それに対して個人レベルで運営されているNGOはすばやくニーズに反応する事ができる。又、政府による支援は政治的にも大きな問題がある(民間への援助は内政干渉になりかねない)のとは対照的にNGOはいたって自由に活動をする事ができるのも利点になってきます。政府機関の支援は社会の上層部からの支援になりがちなのに対してNGOは社会で一番支援が必要とされている下層部からの支援ができるという点も重要。

ではなぜ90年代後半からその有効性が疑われているのか?それはNGOの欠点が明らかになったからです。NGOは多くの場合支援金によって運営されていてこれがネックになっているとのこと。支援をしているのは裕福な国々の一般市民だけれど、それを獲得する競争がNGOの間で必然的に始まってしまいました。こうなるとそれぞれ活動をしている国々の下層市民のニーズよりもまずは「結果」、それも目に見える結果を求める活動が主体となってしまい、長い目で見た支援というものがないがしろになってしまっているケースが増えてしまい実際そういうケースが多く出てきました。又、個人レベルで自由に活動が行なわれているために政策がバラバラで統一性がないし、活動をしているNGO同士の競争(本来は協力するべきものなのに)により混乱するコミュニティーも現れ始めたという点も一役かっています。

ビバ!!ルンタ・プロジェクト

私自身は“助成金を得るために立ち上げる企画”とか“補助金を得るために多少無理してでも条件を整える”なんてのがあまり好きでなくて、「今あるお金でできることを」「やれる範囲でできることを」「やりたい人がやれることを」と考えてきました。(日本事務局代表 藤田裕子、ルンタ通信vol.10、2004年4月15日、P.18、より)


ここで述べているようにルンタ・プロジェクトの今までの活動はNGO全般に問いかけられている資金源と実際のニーズのバランスが取れているという意味で高く評価されるべきだと思います。活動内容も亡命してきたチベット人の自立を目標としている点や情報発信の場として機能している点、現地での収入(非営利団体の日本食レストラン)や海外からの収入(手工芸工房で作られた製品販売)により前に述べたNGOのドナー主体批判があてはまらなく、又、資金繰りも安定しています。ただ同季刊誌にもあるよう今までボランティアは当然、スタッフまでも完全無給でやってきたルンタは、「スタッフの方、どうやってそんなすごい事ができるの!?」と、こっちが心配するほど個人に負担がかかっているという事も事実で、今後少しずつ変わっていく事は避けられないでしょう。

その変化が今年の7月に見られます。ルンタを立ち上げた一人で中枢をなしていた高橋明美さんが8月からアメリカ、ブランダイス大学の大学院で国際開発学の修士号を取得するために一時活動から離れる事になり、社会学の研究者で南アジアでの海外勤務経験のある榎木さんという方を有給スタッフとしてルンタに迎えることになったのです。ただ、今まで「やれる範囲でできること」を確実にやってきていて基盤がしっかりしていることからも、これは今後の活動のことを考えると当然踏み出すべき一歩であると自分は思っています。頑張れルンタ!!更なる発展を期待してます。



ふとしたきっかけからボランティア経験をさせてもらったルンタは今後も関わっていきたいと思わせる心地よい雰囲気があります。その地道な活動はけして楽なものではなく多くの障害はこれからもあるだろうけれど人道的支援というものはそう言う要素を絶対に欠かせないものだとも思います。次いつまた訪れる事ができるのかまったくわからないけれども、必ずその日は来るだろうと確信したとうごサンでした。


posted by とうごサン at 23:38| ロンドン ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | India | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お帰りなさぁい!

Lung-ta Projectのご紹介ありがとうございます。
非常に興味があります。
サイトをゆっくり読んで、何から出来るのか
考えたいと思います。

二伸
とうごサンの真似っこをして(笑)
私も好きなCDの紹介を始めました。
でも、古いものばかりなのですよねぇ(^^ゞ
こちらで勉強して、新しい音楽も聴かなくては♪
Posted by heteheete at 2004年05月10日 10:26
ただいまー

heteさんのコメントはこっちが「記事を書いた甲斐があったなぁ」と思わせてくれるので、ありがたいです。
紹介されているCDや本早速ネットを使って調べまわってますよ(笑)本やCDって気がつくと好みが固まっていて視野が狭くなってしまっていること多いんですよね。だから他の人の紹介は刺激があってすごく面白いです。これからも続けてくださいね。
Posted by とうごサン at 2004年05月11日 01:06
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック