2004年04月12日

■試される日本の政治

イスラム戦士軍団の人質解放声明文を読んでから「無事解放」という言葉を待った人は多かったのではないだろうか。ただここにきて状況は一転。ご存知の方も多いだろうがまず、逢沢一郎外務副大臣がファルージャを訪問、米軍による「残虐行為」と「大虐殺の現場」を目撃し、謝罪するよう、又、自衛隊撤退を再度要求。

これに応じない場合は24時間で一人を殺害、その後は12時間ごとに人質を殺害するとのこと。

この理由に対して毎日新聞は:解放方針を発表後、組織内や関連部族内から「無条件で人質を解放すべきでない」という厳しい突き上げがあったためとの見方が強い、と記事にした。


自分もこの可能性が高いと思う。理由は一時は解放声明を出しておきながらそれを撤回、さらにファルージャを訪問しろとの要求が加わった点だ。

厄介だ。

というのもここにきて急に「イスラム戦士軍団」から「関連部族」というようにこの人質事件に関わる「登場人物」が増えたということ。別の言葉で表現するのならば交渉を誰とすればいいのか不明瞭になっている可能性がこれまた高いということだ。

スリランカの話でも少し触れたが、平和的解決に向けた交渉をする上でこれは致命傷だ。相手に交渉した内容を実行に移すリーダーシップがなければ交渉する意味がなくなってしまうからだ。これは対テロ戦争にも共通する事で、政府は少数グループ一つ一つと交渉しなければならない状況に陥り、それは要するに不可能に近いということを意味する。テロに対して圧倒的な軍事力で完全に押しつぶす強硬姿勢を示しているのもこう言った事を背景にしている。

話は少しずれたが、要するにここは内部がまとまらないとこっち側も手が出せないという状況になってしまっている。政治交渉はほぼ意味をなさない状態かもしれない。ここからは関わっているイラクの人々それぞれの日本に対するイメージが人質の安全を左右するのではないだろうか、と思う。ただ、だからといって政治的解決策を考えないのは愚かだ。


「逢沢一郎外務副大臣(現地対策本部長)は人質となっている邦人三人がイラクに向かう直前まで滞在していたアンマン市内のホテル二カ所を訪問、支配人らから三人の出発前の様子などを聞いた。」(東京新聞)


訪問は政治パフォーマンスでしかない、理由は彼がホテルを訪問したからって人質がどうにかなるわけではないからだ。少々苛立つ。やれる事がなくて暇なのか?それでも俺なら常に指示を出せる部屋で待機する、最後まで頭を使って解決策を考える。それが責任を持つ人間の唯一出来ることだろ?一分一秒を争う事だってあるんだ!!


追記:

指揮が乱れている、内部で意見が一致しなくなっている状況とは、ストレスやプレッシャーが影響しているともいえる。ようするにそれだけファルージャの状況が悪いのかもしれない、と思った。


posted by とうごサン at 04:07| ロンドン ☁| Comment(4) | TrackBack(1) | イラク関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
副大臣のホテル訪問ですが、多分TVで流すための「絵」を作るための行動なんでしょうね。
何か大事件が起こるとTVで同じ映像が流れるじゃないですか。今回もやっぱりあの副大臣の映像が何回も流れてます。(事態が進まないし、報道出来る内容があんまりないからあれしか流せないんだろうけど)でも、見る度にうわあ、茶番だなあ。と彼の行動が情けなくなります。ホテル側は日本政府から取材費とか色々もらえて大喜びなんでしょうけど。日本政府はあの副大臣の訪問で何を得ているのでしょう。
この間コメントし忘れてしまったのですが、お薦めの英語のニュースサイト、良かったら教えて下さい!
私のブログで誉めすぎ、と書いてらしたけどそうですか?
私としてはしごく客観的に述べさせてもらっただけですよん。
自分のブログの京都紹介っていう趣旨には合わないけどやっぱり載せよう、と数日色々思ってからイラクのことを書いたので、記事をアップする前から「おまえアフォか?」とか、「逝ってよし」など、2ちゃんねる的な書き込みもあるだろうなあ、と覚悟してたんですね。
今のところはないですけどねーーあっても全然構いません。
政治的なことを書くと、お前は右か!とかお前は左か!とか、すぐにカテゴライズしたがるのは多くの日本人のいけない所だと思います。もっとみんな多様な立場で多様な意見を持っていて一枚岩ではないのにね。

Posted by walking at 2004年04月13日 06:26
2CHを読んで正直「こりゃ参ったな」と一人呟いてしまいましたよ。足を突っ込むには体力必要だなぁとも。僕自身左や右に考えられるのがあまり好きじゃないのですごくわかります。いまや日本や、イギリスの政治に右も左も無いような気がしますし。
副大臣の話を読んだ時は本当に苛立ちました。こんなにも多くの人たちが心配しているというのに・・・。

実はイル池サンにニュースのコメントしてから自分のところにリンクをはろうと思い、すでに紹介してます。情報の泉という所の上から5番目までをご覧になってみてください。
openDemocracyは自分の教授(Paul Rogers)もよく投稿する少々学問的なページですが面白いと思いますよ。マスメディアに対抗するという信念で他のどのペーも頑張っています。
Posted by とうごサン at 2004年04月13日 12:46
From The Wilderness Publicationsですね!有難うございます。これから読んでみますねーー
Posted by イル池 at 2004年04月14日 03:33
>イル池さん

Guerrilla News
openDemocracy
truthout
The Emperor's New Clothes
From The Wilderness

これ全部です(笑)個人的にはGuerrillaが面白い記事かいてるなと思ってます。あと充実しているのはtruthoutですかね。FromTheWildernessは少しクセがあるかもしれません。
Posted by とうごサン at 2004年04月14日 13:33
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